生命保険で確認しておく5つのこと

ご家族の資金計画を守る方法を知ることで安心感を持ちましょう。

キーポイント

  • 話しづらくても、生命保険についてはきちんと話し合いましょう。
  • ご家族のライフスタイルを守りましょう。
  • ご家族の目標を達成する、あるいはローンを完済する資金を確保しましょう。
  • あなたに万が一のことがあった場合でも、ご家族のニーズ(時間とともに変化するものです)を満たせるよう十分な資金を確保しましょう。
  • 遺言を作成(そして更新)し、相続がスムーズに進むように準備しておきましょう。

 

自分が死亡した後のことについて、喜んで話題にする人はいないでしょう。残された家族がお金の面でどのような影響を受けるのか、という話題であればなおのことです。ご家族の将来のために備えておくのは、単に貯蓄をすること以上の意味があります。万が一のことがあなたに起こった場合に備えて、十分な生命保険に加入しておくのもその1つです。

万が一のことがあっても、生命保険があれば大切なご家族を経済的な打撃から守ることができます。生命保険は、ご家族が新しい生活に慣れていくまでの期間、安定した収入を確保し、借金を返済し、事業を継続し、資産を守るなど、様々な資金ニーズに対応してくれるものです。生命保険の保険料水準はさまざまですが、現在の支出の中でそれほど大きな割合を占めることはないでしょう。

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1. 生命保険の仕組みとは?

生命保険は、一家の大黒柱がいなくなった場合に、家族の生活を守ってくれるものです。住宅ローンの返済、教育費や子育てにかかる費用の支払い、親の介護費用などの資金源となり、ご家族に経済的な安定をもたらしてくれます。保険金を受け取る人は、保険金受取人と呼ばれます。

生命保険の仕組みについて説明していきましょう。生命保険に加入するということは、生命保険会社との間で契約を締結するということです。保険会社は、保険金受取人に対して、契約で合意した金額を支払うことを保証してくれます。この金額は、保険契約者が死亡した後、一括もしくは何回かに分けて保険金受取人に支払われます。

2. 購入できる生命保険の種類とは?

ほとんどの生命保険は「定期保険」か「終身保険」のいずれかに分類されます。定期保険は、一定期間(10年間や20年間など)内に保険契約者が死亡した場合に保険金を支払います。この期間が終了すると、保険料の支払い義務も終了し、保障もなくなります。終身保険では、保険料が支払われていれば、年令を問わず、保険契約者の死亡時まで保障してくれます。定期保険と異なり、終身保険は保険の要素に加えて貯蓄の要素も含んでおり、一般的に保険料は高くなります。


定期保険は比較的安い保険料で加入できるので、多くの人に適していると言えましょう。同じ保険金額であれば、終身保険よりも安い保険料で保障を得ることができます。定期保険は、保険契約者が死亡した際に、家族にとって収入が途絶えないようにするためのものです。不動産のような資産を遺族に相続させたい場合は、保険料は高いですが終身保険に加入するほうがよい場合があります。
 

3. 生命保険を購入すべき時期は?

単刀直入に言うと、扶養家族がいるのであれば生命保険に加入しておく必要があります。あなたが亡くなっても経済面で彼らを支えるためです。


勤務先の福利厚生の一環としてすでに生命保険に加入している方もいるでしょう。その場合でも、個人での保険加入を検討してもいいでしょう。いまの勤務先から転職しても、個人保険には影響がなく、保障が継続するからです。また、勤務先で提供されている保険では、ご家族の経済ニーズを満たすには十分でない場合もあります。


国から遺族給付が支払われるケースがあるかもしれませんが、ご家族の経済ニーズを十分に保障するものではないことも多いと思われます。


一般的に、生命保険は早く加入すればするほど、保険料が安くなります。大きなライフイベントがあるつど、生命保険のニーズを見直してみるとよいでしょう。以下のようなライフイベントで、生命保険は家族を守ってくれます。

 

  • 住宅購入・リフォーム - 住宅を購入または大規模なリフォームを行った後、あなたに万が一のことがあっても、生命保険の保険金を住宅ローンの返済に当てることができます。
  • 結婚 - 結婚は、収入やローンなど、あなたのお金の事情をいったんすべて見直し、パートナーや扶養家族を守る手段を追加するタイミングとなります。
  • 子供の誕生・養子縁組 -生命保険は、教育費や個人的なゴール、ローン返済などの資金源となるなど、ご家族のお金へのニーズが高まっても、万が一の保障を提供してくれます。
  • 転職 - 定期保険に加入していれば、前の職場で提供されていた生命保険の適用がなくなっても保障は継続されますし、新しい収入額に合わせて保険金を増やすこともできます。


お子様がいる場合や、配偶者が専業主夫ないし専業主婦である場合、あなた自身に加えて、配偶者も保険の対象にすることが大事です。専業主夫・専業主婦が提供する家事の経済価値について考えてみましょう。配偶者が亡くなった場合、遺族には大きな経済的負担がのしかかる場合がありますが、生命保険の給付があれば対処しやすくなるでしょう。生命保険は葬式代や相続税の支払いに当てることもできます。


勤務先によっては、福利厚生制度(いわゆるカフェテリアプラン、勤務先と保険会社との特別契約による割引、団体生命保険契約での買増オプションなど)の一環で、ご自身や扶養家族のために追加で生命保険に加入できるところがあります。


生命保険に加入するに当たっては、通常「保険に加入可能な健康体であることの証拠」を提出する必要があります 。これは、保険契約をする前に、保険会社が申込者に対して、自分もしくは勤務先を通じて基本的な健康診断を受けることを求めるものです。一般に、健康状態が良好であれば保険料は安くなります。契約者の年齢や健康状態など、さまざまな要素に基づいて保険料は決定されます。40代、50代、60代で保険に加入するより、20代や30代で加入するほうが簡単で保険料は安くなります。年齢を重ねて健康問題が浮上してくると、そもそも保険に入るのが難しくなったり、保険料が高くなったりします。個人的に複数の保険会社から保険料を取り寄せ、勤務先で提供される団体契約の保険料(国や業種など全体的な労働人口に基づき算定されます)と比較してみてください。

4. 保険金はいくらにすべきか?

必要な保険金額を決めるにはいくつか方法があります。簡単なのは、保険金を年収の5~10倍相当額にすることです。あるいは、現在の資産額、借入総額、今後ご家族にかかる予定のある費用など、ご自身の状況を考慮した上で、より正確に算定する方法もあります。


リタイアできる状態(つまり、家族を支えるために働かなくてもよい状態)になったら、定期保険はもう必要ないかもしれません。それでも、ご家族にまとまった金額を遺したいと考える人もいるでしょう。


定期保険の大きなメリットの一つは、手頃な保険料で扶養家族の保障を確保できる点です。将来的に支払うことが困難になるくらい高い保険料の保険商品は購入しないよう注意しましょう。保障が厚くても、保険料が払えなくて失効させてしまうくらいなら、保険金が小さくても無理なく支払いができる保険商品のほうがよいと言えます。

5. 保険金支払いのメカニズムと遺言の作成

生命保険に加入する前に上記のポイントをファイナンシャルアドバイザーまたは税理士に相談しておきましょう。こうした専門家は遺産の分配方法を記した遺言や遺産相続計画の作成も手伝ってくれます。遺産相続計画を作成する際の検討事項について、詳しくは遺産相続計画のためのチェックリストをご覧ください。


多くの国では、相続が実施される前に保険金受取人に保険金が遅滞なく支払われるため、すぐに支払いが必要な費用があっても困ることがありません。


最後に、生命保険の保険金は課税対象となる場合があることを覚えておいてください。
 

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